ラバーキャットスーツ国内生産プロジェクト始動!

 私たちのフェティシズムの基本は、何といってもアイテムとしてはキャットスーツである。全身をピッタリと覆うそのクールなコスチュームさえあれば鬼に金棒だ。鬼かどうかは分からないが、たいへんな武器になることは間違いない。
 そのキャットスーツは最近ではカリワンズさんのように、自分でトライする人も出てきた。しかしそうはいっても、満足行く商品ベースのものというのはなかなか簡単にはいかない。別にうちの商品を買ってもらおうと思ってこういうことを言うワケじゃないけれども、人はキャットスーツ自作のために生くるにあらず、である。
 キャットスーツ自作とPC自作は、似ている。作ろうと思えば作れる。作るプロセスが楽しい。できあがってみて世界にたったひとつしかない自分仕様のものが手に入る。DIY精神の高揚。すばらしいものがある。筆者もPCは自作した経験があるが、まあ一回作ってみてまあイイやとなった。以後、ショップに頼んで作ってもらっている。ジャンパースイッチの設定なんて面倒くさくてやってられない。コードとかを狭い筐体内に這わせるのもうんざりだ。
 話を元に戻そう。さて、なぜAlt-fetish.comが国内でオリジナルブランドのキャットスーツを準備しているかというと、それには理由がある。
 いちばんの理由は、それをやりたいという人がいるから。そういうファッションデザイナーがいるのである。そうした人を援助しないで、何を援助するのか?スマトラ地震難民か?オジヤ市か?いや違う。あくまで、ラバーキャットスーツ国内生産のプロジェクトに燃えるデザイナー氏である。
 では、顧客側から見たメリットとはなにか? 海外物でももちろんそれはいいんだろうけれども、日本人と外国人では骨格が違う気がする。外国人の標準サイズにつくられたものはやはりどこか合わないところが出てくるものである。
 あと、デザイン。デザインはあれこれ凝るつもりだ。ファッション性の高いものを作る予定である。実用本位のでいけば別にBLACKSTYLEとか他社さんではRCJさんへ頼めばいい話である。Alt-fetish.comのオジリなるということだからあとはある程度洗練されたかっこよさ、デザイン性、ファッション性の訴求が効く市場しかないのである(うわー小さそう……汗)。
 キャットスーツというのは面白いもので、しばらく着ていないと無性に来てみたくなってしまうのである。しかもいろいろなシチュエーションで着てみてどうなるかを試したくなる。
 そんなわけで、日本のキャットスーツ市場に、斬新なバリエーションを供給すべく孤軍奮闘しているのだ。
 プロジェクトX風に最新の進捗状況をいうと以下のようになる。
 ……できあがってきた試作品を着て、市川はたちまち、勃起した。しかし、問題が起こっていた。背中をはうファスナーが、伸縮しない。市川は、着たもののかがむことができなくなった。
 床に落ちた、ラバピカのボトル。拾うことすらできない。妻が、言った。「私が拾います」
 そして、腕も小さすぎた。脇の下に不適切な空間ができ、ひきつれている。腕はわずかしか横に拡げられず、ペンギンのようになった。
 その時、開発チームがもっともおそれていた事態が起こった。背中のファスナーとラバーの接合面が、いとも簡単に剥がれたのである。ほかにも、引っ張ると剥がれる部分が多々あった。ラバーの接着がまるでなっていない。「これじゃ商品にならない。接着方法を徹底的に調べなければ」
 市川は、すぐにドイツへと飛んだ。当時、ラバーの接着剤も、ラバーシートもドイツのBLACKSTYLEから仕入れていた。「BLACKSTYLEに訊けば、分かるはずだ」市川は確信を持っていた。(この物語はフィクションです)
 ドイツから戻った市川は、さっそくデザイナーに連絡した。「ラバーの接着方法が分かったぞ。接着前のクリーニングと、乾燥時間が鍵だ!」
(つづく)
 ご期待下さい。

Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com
info@alt-fetish.com