ふと思った。ラバーは確かに、固体のような外観を呈している。しかし、晃子さんのリポートを見ると、まるで自分の体液とラバーが、溶け合って交ざってしまっているかのようだ。それほどまでにラバーとの一体感が感じられる。ラバーという素材は、じつに甘美だ。固体のくせして、液体のように、ねっとりと皮膚にまとわりついてくる。もちろん、圧倒的な匂いは、嗅覚を犯す。つまり物質のすべての様態に自在に姿を変え、あるいはすべての様態に同時に変化して、私たちのアイデンティティーの深いところへ干渉してくる。
 ああ、いっそのことラバーと溶け合ってしまいたい。

ここで晃子さんから注意事項が。

1.鼻の穴は必ず開けて置く事。マスクの重ね着けするとメンドクサイけど、最終的に鼻でしか呼吸出来ません。
2.動き回らず静かに愉しむ事。当然、呼吸は浅く細くなりがちです。動き回ると酸欠の危険が有ります。
3.あまり長時間のプレイは身体への負担が大きいです。短時間の方が楽!?
4.もっと手軽に色々したい人は、外見的な雰囲気はあまり変わりませんので、口開きマスク+ガスマスクが無難かな。
5.「苦しい!?」と思ったら、即プレイ中断する事。相手が居る場合は前もってGive upの合図を決めておく。

 ビザールダイビングにもルールがある。ルールを守れる人だけが、究極の美しさに触れることができる。

 晃子さんのこのテキストに触発されて私も昨日の深夜(今日の早朝)やってしまった、ラバープレイを。もちろんひとりで。
 本当は風邪気味で、ラバーを着るのはとてもおっくうで、直前まで迷っていたけれど、いざスーツを着たらもう止まらない。ブーツ、ハーネス、ブーツ、コルセット、グローブ、マスクと、ひとつひとつのアイテムを身に着けるごとに興奮は高まっていく。
 全部身に着けたあとに、全身を映す鏡の前に起ってもうダメ。エロ過ぎる。しばらくは汗が出るに任せて、全身の皮膚が、ラバーと汗がいい感じにネチャネチャになるのを味わう。そして、おもむろにまたのジッパーを開けて……。あれ、昨日見つけた前立腺ボタンがない……。どうして?! まあいいや。ペニスそのものよりも、なぜだかキ○○マの袋のほうが感じる私。それも爪でそーっとしたりこちょこちょとしたり。ラバーを着ているのと着ていないのとでは、同じ感じる場所への刺激もまったく異なるから不思議だ。全身状態を大脳が評価して快感物質を分泌させているんだろう。
 すっかり夜は涼しくなってきて、ラバープレイにはピッタリである。サイトではイタリアのラバードールのページをフェティッシュサイトディレクトリに加えたのでどうぞお越し下さい。教えてくれたY様、ありがとうございました。

Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com