魔法戦隊マジレンジャーの研究

 先日の仮面ライダー響鬼フェティシズムからの考察に引き続き、今日は同じ日曜日の朝7時半という無茶な時間にやっている「魔法戦隊マジレンジャー」について思うところを述べたい。
 当然ビデオ録画である。この日曜日の朝から興奮するほど私は若くない。
 マジレンジャー、まずこの「マジ」というタイトルの言葉に着目したい。この、「マジ」というのは若者言葉である。オッサン、ジジイ、婆などは使わない。私が、11歳年下の弟を若いなーと思うのは、彼女と「マジ?マジ」と言い合っているときである。「マジだー」という変形もある。
 マジ、という言葉が発せられるのは、少なくともフォーマルな関係ではない。そして高齢者も使わない。マジ、といいあう関係というのは、くだけた若者同士の親しげな関係である。そして筆者の偏見かも知れないが、若者でも、セックスに疎いヲタはあまり使わない気がする。ノリのいい、美女、美男、それも若い、性欲にまみれた人が軽く使うのがマジという言葉の本筋ではなかろうか。
 そして、筆者は「マジ」フェチである。マジ、という親しげな若者言葉を言い合う関係というのは、セックスもあり得る関係性を象徴しており、何となくエロさを感じていい感じだ。
「マジ」という言葉がどこかエロくて、いやらしい響き、猥雑なフェティシズムを有しているということを、まあそうは思わない方もまずは了解していただければ、この「魔法戦隊マジレンジャー」がフェチだらけであることは明らかだ。
 なにしろ呪文は「マージ・マジ・マジーロ」、天空聖界「マジトピア」との連絡ツールは「マージフォン」、レンジャーそれぞれの名前は、「マジ」+「色(例:レッド)」。新しい魔法「マージ・マジ・マジカ」で5人は巨大な「マジマジン」に変身。マジレンジャーの数え方は「1マジン、2マジン、3マジン」。
 もう、マジマジ言いまくっていて、マジフェチの私にはたまらないのである。
 もちろん、マジレンジャーのフェチ要素はこれだけではない。キャラのピッタリしたコスチューム、マスク、そして、ティーンエイジャー特有の「キュッキュッ」というきびきびした所作、いずれもフェティッシュなリビドーを刺激する。
 ただ、仮面ライダー響鬼とはある点で正反対ともいえる違いがあった。マジレンジャーでは、いいもん(ヒーロー、ヒロインの側)が光らないサテン地を着ているのに対し、悪役が光るボンデージコスチュームに身を固めている。
 仮面ライダーでは、その逆に、いいもん(仮面ライダー)が、テカテカ光るコスチュームで、悪役は光らない。
 マジレンジャーが着ているのは、全身タイツ系の素材、ナイロンとか、サテン地の、光かたがラバーのそれとは違うヤツだ。筆者の場合、それだといまいちピンと来ない。やはり仮面ライダーの、ケツに食い込むピッチピチ、テッカテカの黒い服じゃないと。
 しかし世の中には、全身タイツ系のみなさんもいらっしゃるわけで、何がどうなって、私がこっちへきたのやら。マジで分からない。

Text by Tetsuya Ichikawa
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